世界最古の木造建築法隆寺に使われていることで知られる、耐久性に優れ独特の香気を持つヒノキですが、この木の名の由来をご存知でしょうか。一説に、火の木、つまり昔火を起すのに使った“火切りの木”からきたものといわれます。それだけに、水分の含有量が少なく、乾燥しても狂いが出にくい良質な木というわけです。戦後の大植林時代にヒノキも全国の山に植えられましたが、杉と比べ成長が遅く、そのうえ良質な木材として多方よりの需要も多く、今なお高価なのはそのためです。とりわけ江戸時代から森林保護がされている木曾のヒノキは高価で銘木といわれています。
 その木曾東濃の、150mm角のヒノキを、構造材としてふんだんに使った最高にぜいたくな家が、地球民家「東濃檜」です。

 私たちの小さかった頃の記憶の中に、こんな光景はありませんでしたか。お鍋の木の蓋、手桶、スイカの浮くたらい、おじいさんの将棋を打つ縁台、それに家の塀。これらの多くは杉材で作られました。杉は私たちの生活の中にさりげなく、何気なく入り込んでいたもようです。杉はヒノキと違って木肌がソフトで、加工しやすいという利点があったからです。しかし反面、水分の含有量は多く、乾燥に2倍近くの時間を要するという、難点もあります。
 地球民家[吉野杉」は、杉の産地としてもっとも名高い奈良吉野の、吉野村「吉野丸タ林業」の、樹齢70〜80年の天然乾燥材をふんだんに使っていきます。こうして産地や伐採場所に徹底的にこだわることで杉材の難点を克服し、ヒノキとは一味違った木綿のように質素な贅沢さを備えた住宅を提案していきます。

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